こだわらないのが唯一のこだわり。

37歳のリーマンが仕事や転職、音楽やグルメについて一切のこだわりなく書いているようです。

会社・仕事

【無能サラリーマン最強説】『向上心を持たない』という幸せの選択肢もあるんだと分かった件。

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人にはいろんな人生がある。

自分の人生や考え方が全てだなんて決して思ってはいけない。

また自分のそれと違う人を否定してはいけない。

その人にはその人なりの価値感や考え方がある。

自分とは違っても、その人にとってはそれが『正』なのだ。

当たり前のような話だが、いざ自分が心底そう思えているかと言えば違う。

何かできない人を見れば「何でできないんだよ…」と思う。

何かやろうとしない人を見れば「何でやらないんだよ…」と思ってしまう。

「仕事なんだからできて当然。できなかったらできるように努力する。」

私はこれまでそんな考えで仕事をしてきた。

だから今の部署でできない仕事はないし、最初はできなかった仕事もできるようになるよう努力してきた。

努力…というか、お金をもらっている以上それが当然だと思っていたのだ。

しかし、とある私の部下は違う。

彼は私より社歴も年齢も上だ。

42歳。

社歴20年。

会社創立が30年前なので、かなりの古株と言ってもよい。

社歴と年齢からして、数人の部下やチームを束ねていてもおかしくはない。

しかし彼は万年平社員だ。

何故かって?

答えは簡単。

彼は仕事ができないのだ。



 
 

彼が私のチームに配属されたのはちょうど1年前。

彼の社歴からすると19年が経過した頃のこと。

前評判で聞いていた通りのポンコツっぷりだった。

出社は遅刻ギリギリ1分前。

始業チャイムが鳴ってもしばらくは身支度等が忙しい。

フェイスペーパーで顔を拭き、荷物を片付け、トイレに行き、自販機でお茶を買う。

USB電源のペットボトル保温器をセットしてから、ようやくPCに電源が入る。

PCが立ち上がる画面をボーッと眺めながらお茶を飲む。

そしてログインすると、どうでもいいCCメールをチェック。

15分程経ってから「今日は何をしましょうか?」と私に声を掛けてくる。

自分より年上の19年選手を相手に、『5分前行動』という話をすることになるとは夢にも思っていなかった。

これは偏見だが、時間感覚が鈍い人間は往々にして仕事ができない。

彼も例外ではなった。

仕事をお願いしても期日までに上がってきた試しがない。

なぜ期日を守れなかったのかを聞くと、いつも決まって「やり方が分からなくて…」。

小学生にありがちな『分からないところが分からなくて質問すらできない』パターンのアレだ。

これくらいのことは予想できているので何とも思わない。

もちろんリカバリーできるよう前もって考えてある。

しかし、またしても自分より年上の19年選手を相手に、『ホウ・レン・ソウ』という話をすることになるとは夢にも思っていなかった。

彼はその仕事振りから、数々の上司に愛想をつかされてきた。

恐らく2年として同じ仕事を続けたことが無いだろう。

それはあまりに仕事を吸収する能力がなさ過ぎて、上司が教育するのを諦めてしまったからだ。

1年目は教育をしながら様子見。

2年目はその成長を見ながらステップアップ。

多くの上司はこうして考えているだろう。

しかし彼は違う。

全く成長の兆しが無いのだ。

そんな状況を2年も続けていると『暖簾に腕押し感』に嫌気がさしてくる。

「またかよ…。何度言わせるんだよ…。さっきも言ったよ…。」

こんな思いばかりが湧いてきてストレスしかない。

しかし当の本人はケロッとしている。

例え怒られたとしても効いている感じがするのはその場だけ。

翌日になればまた同じミスを繰り返す。

私には理解できなかった。

一度怒られたミスは二度と繰り返さないようにと、いろんな方法を駆使してそれをできるようにするのが普通だと思っていたからだ。



 
 

ある日、私は彼と二人で話をすることにした。

色んなことを話したかったが、私が聞いたのはひとつだった。

「この会社でどうなりたいですか?」

人は誰しも目標や夢がある。

仕事を通じて何を得たいのか?どうなりたいのか?

私が聞きたかったのはそれだけだった。

「出世したい」

「給料を上げてほしい」

「こんな業務を担当したい」

なんでも良い。

私は、仕事を通した彼の目指す道を知りたかった。

もし他にやりたいことがあって今の業務に身が入らないのであれば、そちらの道へ進ませるということも考えてあげられる。

彼が目指す道によっては、もっといろんなことをしてあげたいと思ったからだ。

そして返ってきた答えは…

「う~ん・・・考えたこともなかった(笑)」

私「なにか他にやりたい業務は?」

彼「う~ん・・・特に・・・。」

私「出世したいとか給料上げてほしいとかは?」

彼「お金は欲しいけど別に今のままでもいいかなぁ~」

私「じゃ~転職とか考えないんですか?」

彼「全然・・・。」

彼には仕事を通じた向上心が一切ない。

薄々感づいてはいたものの、それが事実。

そして事実を目の当たりにした私がショックを受けたのも事実。

ビジネスは時に戦争に例えて話されることがる。

戦争は領土の奪い合い。

ビジネスはお金の奪い合い。

だから同僚より、競合他社よりもしっかとり鍛錬を積み、より優れた戦略と戦術を練って戦いに挑む。

それが勝利(利益や給与)につながると私は考えてきた。

しかし彼はそうではない。

何の鍛錬も積まない代わりに、誰とも競わない。

彼の戦術は、戦争に例えるなら「戦わない」という戦術だ。

しかし戦わずして人は飯(金)にありつくことができるのだろうか?

事実、彼はできている。

何故ならサラリーマンだから。

今の時代、会社はよほどの理由がない限り社員を軽々しく解雇できない。

「仕事ができないヤツ」程度ではクビにできないのだ。

彼の仕事は日雇いのアルバイトでもできるようなものばかり。

しかしそんな仕事でも、42歳の男がそれなりに暮らしていくだけの給与がもらえる。

現に彼はフルローン新型のベンツCクラスを乗り回している。

毎日の晩御飯はコンビニの弁当。

仕事から家に帰るとそのベンツに乗り、歩いていける距離にある最寄りのコンビニまで行くのだそうだ。

そして毎日のコンビニ通いで消耗したガソリンを入れに、2~3週間に1回これまた近所のガソリンスタンドに給油へ。

そのガソリンスタンドの向かいにあるラーメン屋でラーメンを食べることが楽しみなのだとか。

それ以外にベンツの使い道は・・・ないらいしい。

人は高みを望んで頑張る。

そして、その高みに到達すれば幸せ。

仮に到達できなかったとしても、それまで努力して得たものは今後の糧になる。

人は常に向上心を持って進化していくべき生き物だ。

そんな30数年の私の考えは、彼の価値観により揺らいだ。

欲しがるから苦しいんだ。

欲しがって得られなかったときはもっと苦しいんだ。

だから何も欲しがらない。

だから誰とも戦わない。

でも確実に言えることは、サラリーマンならある程度やってればある程度の給料がもらえるってこと。

あれもこれも欲しがらなければ、中小企業の平社員だってベンツにも乗れる。

これも幸せの形なんだよ。

いつもは彼に仕事を教えている立場だが、今回ばかりは彼に教えてもらった気がする。

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