転職の面接時に、必ずと言っていいほど聞かれる質問として『志望動機』がありますが、もし今すぐ面接だと言われたとき、あなたならすぐに答えることができるでしょうか?
「なんとなく・・・」でフワッと考えているだけでは、いざ面接になった時にアタフタしてちゃんと答えられないなんてことにもなりかねません。
志望動機は企業があなたを採用するか否かを決める重要なポイントのひとつ。決して疎かに考えてはいけません。
ということで、今日は「志望動機が言えない…思いつかな…」と困っているあなたにとって、どのように志望動機を言えばいいか(考えればいいか)をお話したいと思います。
志望動機はポジティブな内容が必須
まず大前提として、『志望動機はポジティブな内容じゃないとダメ!!』ということです。
やりたい仕事が決まっていない人の中には、「給料が今の会社より良いから」とか「土日祝が休みだから」とか「安定してそうだから」という志望動機を面接時に話してしまう人もいるようです。
でも、この動機って最悪なんですよね…
逆の立場になって考えていただきたいのですが、自分の会社で従業員を雇うときに、こんな”自分本位な人”を雇いたいと思いますか?ってことです。
「給料が今の会社より良いから」とか「土日祝が休みだから」とか「安定してそうだから」という動機は、あくまでもあなたにとってメリットがあることであって、それを提供している企業側のメリットではないですよね。
企業というのは『利益追求集団』ですから、当然ながら『自社に利益をもたらしてくれる人』を採用したいと思っています。
ということは、志望動機があなただけにメリットがあるものではダメなわけで、『あなたにとっても、企業にとってもメリットがある志望動機』が求められているんです。
ポジティブな志望動機は誰でも必ず持っている
『自分にとっても、企業にとってもメリットがある志望動機』って一体・・・?
志望動機が明確になっていない人にとっては、「そんなの思いつかないよ…」なんて頭を抱えてしまうくらい、かなり難しい問題かもしれませんね。
でも、大丈夫!!ポジティブな志望動機は誰でも必ず持っています!!
ポジティブな志望動機を見つけ出すには2つのパターンがあります。
まず1つ目は、これまで経験したビジネスキャリアの中で、『楽しかった』とか『嬉しかった』などと感じたことからポジティブな志望動機につなげるパターンです。
仕事上で『楽しかった』とか『嬉しかった』と感じたこと自体がポジティブな事柄ですから、それを「次の会社でも感じられるような働きをしたい!」という動機につなげていけばいいだけなので、手法としてはとても簡単ですよね。
そして2つ目は、逆にこれまで経験したビジネスキャリアの中で『嫌だったこと』や『不満に思ったこと』など、ネガティブな感情をポジティブな志望動機につなげるパターンです。
『嫌だったこと』や『不満に思ったこと』というのは、言い換えれば『改善の余地がある』ということですから、「次の会社では××を〇〇のように変えていきたい」というかたちでネガティブ要素からポジティブな志望動機につなげることができます。
感情をすべて吐き出してみる
上記でお話した通り、志望動機を見出すにはまずこれまでのビジネスキャリアを振り返ってみて、『楽しかったこと』『嬉しかったこと』などのポジティブ要素と、『嫌だったこと』『不満だったこと』などのネガティブ要素を抽出する必要があります。
そこで、まず取り組んでいただきたいのが『ブレインダンプ(brain dump)』です。
ブレインダンプとは直訳すれば『脳を放出する』というような意味になるのですが、文字通り頭の中で考えていることを放出して整理しようという作業になります。
やり方はとても簡単。
- 紙とペンを用意する
- これまでのビジネスキャリアをゆっくり思い出す
- 楽しかったこと、嬉しかったことを思いつくだけ全て書き出す
- 嫌だったこと、不満に思ったことを思いつくだけ全て書き出す
3で感じたポジティブな感情は、出来ればまた次の会社でも味わいたい感情ですよね。だったら、それがそのままポジティブな志望動機に繋がります。
また4で感じたネガティブな感情は、出来れば次の会社では味わいたくない感情ですよね。だったら、そのネガティブな感情にならないように「何をどのように変えればよいか?」を考えます。
ポジティブな志望動機に変える方法
「ポジティブな志望動機へ変えろ」とイメージだけで言われてもなかなか難しいですよね。
ということで、次はブレインダンプしたポジティブ/ネガティブの各要素から、どのようにして最終的にポジティブな志望動機に繋げるかという具体例をご紹介したいと思います。
【ポジティブ要素からポジティブ志望動機へ】 | |
楽しかったこと | 社外のいろんな人と話せたこと |
ポジティブな志望動機 | 前職では事務職で黙々とデスクワークをしていたが、よく会社に出入りしていた取引先の人と話しているうちに、いろんな人と話をすることの楽しみを覚えた。だから多くの人と出会って直接話ができる営業(販売)の仕事がしたいと思った。 |
【ネガティブ要素からポジティブ志望動機へ】 | |
不満だったこと | 会社が大きすぎて自分の仕事がどれだけ社会(お客さん)に貢献しているか実感が得られなかった |
ポジティブな志望動機 | 前職は大きな会社で、製品制作の極一部にしか携われなかった。 自分の仕事が最終的にどのようなお客さんに届いているのか、またその製品に満足してもらっているのかも分からなかった。だから製品の制作から納品・アフターフォローまで、お客さんの顔が見える環境で責任を感じながら仕事がしたいと思った。 |
これらはあくまでほんの一例にすぎませんが、何となくポジティブな志望動機へつなげるイメージが伝わったと思います。
また上記例では、自分自身の働き方や価値観にしか触れていませんが、これにプラスして転職先企業の商品やサービス、企業理念なども絡めて、「御社の商品・サービスを売りたい(作りたい)んです!」「御社の企業理念(ビジョン)に共感しました!」くらい言えるようになればベストですね。
まとめ
転職の志望理由が言えない人は
- 志望理由はポジティブな内容が必須
- ブレインダンプで楽しかったこと嫌だったことを書き出す
- 楽しかった、嫌だった、をポジティブ志望動機に転換
これまでの仕事の中で、『楽しかった』とか『嫌だった』なんて思いを一度もしなかった人などいませんよね。
まずは自分の感情に向き合ってこれまでの仕事を振り返り、ブレインダンプで思いっきり頭の中を放出してみて下さい。
その中にはあなたなりの「やりがい」とか「楽しみ」などが絶対に隠されているはずです。